EC物流代行会社ガイド » 【業界別】EC事業の課題 » 食品EC市場の課題と物流代行会社の選び方

食品EC市場の課題と物流代行会社の選び方

食品ECは、全国の消費者へ商品を直接販売できる一方、一般的なEC商材とは異なり、賞味・消費期限の管理、温度帯の維持、衛生管理、食品表示、配送リードタイムなど、品質と安全性に関わる課題を抱えています。さらに、ギフトシーズンやメディア掲載による急激な注文増加、冷蔵・冷凍配送による物流コストの上昇など、事業規模が拡大するほど物流体制の構築が重要になります。本記事では、食品EC市場の動向を踏まえながら、運営時に直面しやすい課題と解決に向けたポイントを解説します。

食品ECとは

食品ECとは、食品・飲料・酒類などをインターネット上で販売し、購入者へ配送するビジネスモデルです。メーカーによる自社ECやD2C、ネットスーパー、産直EC、食品宅配サービスなど、さまざまな販売形態があります。

常温で長期保存できる菓子や飲料だけでなく、冷蔵スイーツ、冷凍食品、生鮮食品、ミールキットなど販売される商品の幅も広がっています。一方、食品は「販売できる期間」と「保管できる環境」に制約がある商材です。そのため、商品を仕入れて保管し、注文後に発送するという一般的なEC物流に加えて、品質を維持するための専門的な管理が必要になります。

食品ECの市場動向

経済産業省が公表した「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」によると、2024年の「食品、飲料、酒類」におけるBtoC-EC市場規模は3兆1,163億円で、前年比6.36%増となりました。EC化率は4.52%で、前年の4.29%から上昇しています。

食品は日常的に購入される巨大市場である一方、家電や衣類などと比べるとEC化率はまだ低い水準です。ネットスーパーやメーカー直販、定期宅配、地方特産品のオンライン販売などが広がる中、今後もECへ移行できる余地が大きいカテゴリーと考えられます。

食品ECで直面しやすい課題

常温・冷蔵・冷凍など
温度帯ごとの品質管理が必要

食品ECの大きな課題が、商品の特性に合わせた温度管理です。常温商品だけでなく、肉・魚・乳製品・スイーツ・惣菜などを扱う場合には、冷蔵や冷凍での保管・配送が必要になります。

保管中だけ適切な温度を維持していても、入荷・ピッキング・梱包・積み込み・配送の途中で温度が変化すれば、商品の品質低下につながる可能性があります。そのため、倉庫から購入者へ届くまで一貫して適切な温度帯を維持できる物流体制を構築することが重要です。

賞味期限・消費期限と
ロット管理が複雑になる

食品には賞味期限・消費期限があるため、単純に在庫数だけを管理することはできません。同じ商品でも入荷日や製造時期によって期限が異なることから、商品ごとの期限情報を正確に把握しながら出荷する必要があります。

基本的には期限の短い商品から出荷する管理が求められますが、ECモールや取引先によって「賞味期限まで一定期間以上残っている商品のみ出荷する」といった条件が設定されるケースもあります。また、商品に問題が発生した際に対象範囲を特定するためには、ロット単位で入荷から出荷先まで追跡できる仕組みも重要です。

廃棄ロスと欠品を
同時に抑える必要がある

食品ECでは、多く仕入れすぎれば賞味期限切れによる廃棄につながる一方、在庫を絞りすぎると欠品による販売機会の損失が発生します。この両方を抑える在庫管理が求められます。

特に季節商品や期間限定商品は販売期間が短く、需要予測を外した際の影響が大きくなります。販売データ・在庫数・賞味期限を一元的に把握し、「いつまでに、どの商品を、どの程度販売する必要があるか」を可視化する仕組みが重要です。

ギフト・メディア露出による
急激な出荷波動が発生する

食品ECは、お中元・お歳暮・母の日・クリスマス・バレンタインなどのイベントによって注文量が大きく変化します。また、テレビやSNS、インフルエンサーなどで商品が紹介されたことで、短期間に注文が集中するケースもあります。

通常時に合わせて倉庫スタッフを配置していると、注文増加時にピッキングや梱包が追いつかず、発送遅延につながりかねません。一方で繁忙期を基準に人員やスペースを確保すると、通常時の固定費が増加します。そのため、物量に応じて人員・作業スペース・配送能力を調整できる物流体制が必要です。

冷蔵・冷凍配送によって
物流コストが高くなりやすい

食品ECでは、商品そのものの原価だけでなく物流費が収益性を左右します。特に冷蔵・冷凍商品は、温度管理された倉庫やクール便を利用する必要があるため、常温商品より物流費が高くなる傾向があります。

さらに、米や飲料など重量のある商品は配送費が高くなりやすく、送料無料を設定すると利益を圧迫する可能性があります。物流費を抑えるには、配送サイズに適した梱包資材の選定や出荷拠点の配置、複数商品のまとめ配送など、保管から配送まで含めた物流全体の最適化が欠かせません。

食品表示情報を
正確に管理する必要がある

食品ECでは、購入者が店頭で商品の容器包装を確認してから購入することができません。そのため、商品名や原材料、アレルゲン、内容量、保存方法など、購入判断に必要となる食品情報をECサイト上で分かりやすく提供することが重要です。

消費者庁も、インターネット販売では消費者がECサイト上の情報を頼りに商品を選択することから、食品表示基準で定められた表示事項をできるだけECサイト上にも掲載することが望ましいとしています。商品情報の変更時には、商品ページと実際の商品表示に差異が生じないよう管理する必要があります。

衛生管理と物流品質を
両立する必要がある

食品を取り扱う事業では、異物混入や汚染、品質劣化などを防ぐための衛生管理が欠かせません。食品等事業者には原則としてHACCPに沿った衛生管理が制度化されており、商品の製造・加工だけでなく、その後の流通段階でも適切な品質管理を行うことが重要です。

EC物流を外部委託する際にも、倉庫の清掃・防虫防鼠、温度管理、商品の保管方法など、自社が扱う食品に必要な衛生・品質管理体制が整っているかを確認しておく必要があります。

物流戦略が食品ECの
成長を左右する

食品ECでは、商品を販売するだけでなく、品質を維持したまま期限内に購入者へ届けるところまでがサービスです。いくら魅力的な食品を販売していても、配送遅延や商品の破損、温度管理の不備、誤出荷などが発生すれば、顧客満足度やブランドへの信頼を損なう可能性があります。

一方、自社だけで常温・冷蔵・冷凍設備を用意し、繁忙期に合わせて人員を確保しながら、賞味期限やロットまで管理することは大きな負担です。食品ECの規模を拡大していくのであれば、食品物流に精通したEC物流代行会社の設備・人員・システムを活用することも有効な選択肢です。

当メディアでは、食品や飲料の取り扱いに対応したEC物流代行会社を紹介しています。自社の商品に必要な温度帯や管理方法、出荷規模を整理したうえで、物流パートナーを比較してみてください。

食品ECを成長させるための
物流改善ポイント

販売データと在庫を連携し
食品ロスを抑える

食品ECでは、「在庫を持つこと」そのものが期限切れリスクにつながります。そのため、ECサイトや各モールの販売データと倉庫在庫を連携し、リアルタイムに近い状態で在庫を把握することが重要です。

売れ行きが鈍化している商品を早期に把握できれば、セット販売やキャンペーンなどを実施し、期限切れになる前に販売を促進できます。需要予測だけに頼るのではなく、販売・在庫・期限情報を組み合わせて判断できる環境を整えることが食品ロス削減につながります。

セット販売・定期購入で
物流効率とLTVを高める

単品での購入が中心になると、注文ごとに梱包・配送費が発生するため、商品単価によっては物流コストの負担が大きくなります。複数商品を組み合わせたセット販売や定期購入を取り入れることで、1配送あたりの購入単価を高める方法もあります。

物流側でもセット組みや定期配送へ対応できる体制を整えておけば、季節ごとの詰め合わせや購入回数に合わせた商品構成など、顧客の継続購入を促す販売施策を実施しやすくなります。

梱包を見直して
破損と配送コストを抑える

瓶・缶・冷凍食品・菓子など、食品は商品によって適切な梱包方法が異なります。必要以上に大きな段ボールを使えば配送料が上がる一方、緩衝材を減らしすぎれば配送中の破損リスクが高まります。

商品サイズや重量、壊れやすさに応じて梱包仕様を標準化し、可能な範囲で箱サイズを最適化することが重要です。物流量が多い場合には、梱包資材と配送サイズを見直すだけでも物流コスト削減につながる可能性があります。

食品ECを支える
物流代行会社の選び方

必要な温度帯で
保管・配送できるか

まず確認したいのが、自社商品に必要な温度帯へ対応しているかです。常温商品のみを扱う場合と、冷蔵・冷凍商品を扱う場合では、必要となる物流設備が大きく異なります。

冷凍・冷蔵倉庫を保有しているかだけでなく、入荷から出荷までどのように温度を管理しているか、配送会社との連携も含めて確認しましょう。将来的に商品ラインナップを拡大する予定がある場合は、複数の温度帯へ対応できる物流会社を選ぶこともポイントです。

賞味期限・ロットを
システムで管理できるか

食品物流では、商品名と在庫数だけでなく、賞味期限・消費期限や製造ロットまで管理できるWMSが重要です。期限を基準にした出荷順の設定や、出荷可能期限を下回った商品の出荷停止などをシステム化できれば、人的ミスを減らせます。

万が一商品の回収が必要になった場合にも、どのロットの商品を、いつ、どの購入者へ発送したのか追跡できる体制があれば、迅速な対応につながります。

繁忙期や急な注文増加へ
対応できるか

食品ECはイベント・季節・メディア露出などによる出荷波動が大きいため、通常時の出荷能力だけで物流会社を選ぶのは適切ではありません。

繁忙期にどの程度まで出荷量を増やせるのか、人員や作業スペースをどのように確保するのかを事前に確認しましょう。また、ギフト包装、熨斗、セット組み、販促物の同梱などが必要な場合には、出荷量が増えた際にも流通加工を含めて対応できる体制があるかも重要な選定ポイントです。

【商品特性別】
EC物流代行会社
おすすめ3選
輸入品向け

湾岸での荷卸~検品で
コストを削減

ダイワコーポレーション
おすすめの理由
  • 関東の湾岸地域に30拠点※1を構え、コンテナ荷卸から発送までを代行。運送費を削減し、販売・出荷までのリードタイムの短縮が見込める
  • 20年にわたり遵守してきたISO認証※2に基づく厳格な運用により、検品を標準化。海外製品の初期不良を見極め、不良品の流出を防ぐ
主な取り扱い商品
  • 家具・インテリア
  • ホビー・フィギュア
  • 雑貨
  • など

ダイワコーポレーション
の公式HPで
支援実績を見る

ダイワコーポレーション
に直接電話で問い合わせる

実店舗併売向け

ECと直接店舗の
在庫を一括管理

関通
おすすめの理由
  • 倉庫と受注管理システムの連携で、更新待ちによる欠品や売り越しのリスクを軽減。複数ショップの在庫を即座に同期し、販売機会を逃さない
  • 今どの荷物がどの棚にあるかをデスクから1件単位で特定。現場の全作業をデータ化するツールで、梱包や検品等の進捗を即座に集計できる
主な取り扱い商品
  • 美容・化粧品
  • サプリメント
  • 日用品
  • など

関通(GAOW)の
公式HPで
支援実績を見る

関通に
直接電話で問い合わせる

季節需要商材向け

従量課金制で
固定費を抑制

オープンロジ
おすすめの理由
  • 4温度帯管理(常温・定温・冷蔵・冷凍)に対応。おせちや贈答用スイーツなど、鮮度が命となる季節商品の劣化を防ぐ
  • 初期費用・固定費ゼロ※3の従量課金モデルを採用。全国70拠点※4のネットワークがあるため、急激な波動に合わせた保管スペースを確保できる
主な取り扱い商品
  • 冷凍・冷蔵スイーツ
  • 和洋菓子・お酒
  • 食品・調味料
  • など

オープンロジの
公式HPで
支援実績を見る

オープンロジに
直接電話で問い合わせる

※1・2 参照元:ダイワコーポレーション公式HP|2026年2月調査時点(https://daiwacorporation.co.jp/lp/ec/ ※3・4 参照元:オープンロジ公式HP|2026年2月調査時点(https://service.openlogi.com/cold_storage/